2023年01月24日

たかはしいちろう氏の離党・再出発に寄せて

人は地面を歩いている。
言い換えれば「地に足をつけて歩く」
全ての人の営みはここから始まっている。

「生きててくれよ!」そう叫んだ一人の政治家がいる。
れいわ新選組山本太郎氏だ。

この発言を耳にしたとき私は涙が頬をつたうのも忘れ、固く拳を握りしめていた。
「生きててくれよ!」と叫ばなければならぬほど、この世は生き辛くなっている。
なんとかしなければ!そう思った。

あれから何年が経っただろう。

その政治家の声は今も高らかに響いている。
だがそのチーム(政党)は、勢力を拡大するにつれ妙にテクニカルな冒険を散発。
一時的な耳目を集めることに成功してはいるけれど、どうやらそれだけである。

いや、太郎さんは炊き出しや様々なボランティア活動もやっているよ。そんな声が返ってきそうだ。
もちろん否定するものではない。むしろ称賛しているくらいだ。

だが、求めていることはそこではない。

政党として今なにが出来るか?
そして、なにから始められるか?


政権与党にでもなれたら強大な力を発揮し「生きる実感を遍く供給」してくれるのかもしれない。
ぜひ頑張ってほしい。
だが、待ってられるほど気長ではない。


たかはしいちろう氏は、どちらかと云うと「超弩級の維新タイプ」だったのかもしれない。
ゴリゴリの開発主義者としてその職責を果たしてきた猛者だ。
そんな彼が、件の山本太郎節に出会って「れいわ支持者」に転向した。

とは云うものの、リベラル系の人たちにありがちな「連帯」「団結」なんてものは彼の眼中にはない。

彼は一人で歩き始めた。
まるっきり一人である。
そしてそれを面白がる変わり者が少しずつ増えてきた感じだ。


とにかく彼は歩き廻る。
歩く歩く。
時間と身体が足らないくらいだ。

そして人と出会う。
時に罵られ、時に人の苦悩に出会った。
この地面の上に様々な「人生」が転がっていることを知った。

歩いていたら間に合わない。
彼は走り出した。

「いやいや。たかはしさん、歩けばいいじゃないですか。まずは家を大きくしましょうよw」

まさかの天の声である。

「走らせて下さい!」

「・・・・・・」

此処に居ると走らせてもらえないことが分かった。
同じ方向を向いているというのに‥。

そして決断した。


航海の途中で港に引き返したこの船は、艤装を新たにし、再出港する。

私はこの船出を心より祝福する。
posted by WebRadioFMC at 11:31| 榎田雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする